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自己破産の種類には、「管財事件」と「同時廃止事件」があります。 破産の手続きではまず「本当に破産者には返済能力がないのか?」という事実確認をします。 明らかに財産が無い場合には同時廃止事件です。また、返済に充てられる財産がありそうな場合には管財事件となります。 ここでは、このふたつの違いや特徴について解説します。
管財事件と同時廃止事件では、申立人にとって「手続きにかかる時間」と「費用」に大きな違いがあります。 破産手続きにおいて、破産管財人による調査に時間がかかることが多く、「管財事件」では調査が必要なのに対し、「同時廃止事件」では調査の必要がありません。
「管財事件」に振り分けられるのは、裁判所から“財産がある・免責のための調査が必要”だと判断されたとき。「同時廃止事件」は、財産がなく調査を必要としない場合に振り分けられます。破産管財人による調査の必要がないため、破産手続きの開始と同時に廃止が決定。よって、免責決定までの時間と手続きの費用が少なくてすみます。
管財事件は、申立人に財産がある・免責してよいかの調査が必要な場合に振り分けられます。 自己破産の手続きでは「破産手続き」と「免責手続き」を並行しておこないますが、管財事件では「破産手続き」に時間がかかる特徴があります。
破産の申し立てをしたのち、裁判所が「破産管財人」を選び、破産者の財産の調査や管理を任命。破産管財人は弁護士から選ばれることがほとんどです。
破産管財人は、申立人の
などを調査します。
その後裁判所にて債権者集会がおこなわれます。この集会では、破産管財人の調査結果に基づいて
などを報告。その後破産手続きと免責手続きの最終決定を裁判所がおこないます。
同時廃止事件とは、破産の申立人が「破産手続き費用をまかなうだけの財産がないことが判明している場合」などに適用できる制度です。
裁判所に破産の申し立てをしたのち、破産手続きの開始と同時に「廃止」が決定。これは、申立人にめぼしい財産がないことが明確な場合「破産管財人」は不必要なためです。破産手続きが廃止され、免責手続きのみが進行するのが「同時廃止事件」です。20万円以上の財産(自由財産は除く)を持たない場合は同時廃止事件の制度が適用されると考えてよいでしょう。
同時廃止事件が適用できないこともあります。
【破産申し立ての時点で、資産の有無がはっきりしない場合】
申し立て時点の資産の調査が不十分である、“生命保険の解約返戻金”や“過払い金”などがある場合には、資産の状況を確定させるために「管財事件」になることがあります。
【免責不許可事由がある場合】
また、「免責不許可事由」において、
などの行為があった場合には、「免責不許可事由」となり、同時廃止事件は適用されません。ただし免責不許可事由があると自己破産ができないということではなく、状況によっては裁判員の裁量で免責を決定する「裁量免責」が適用されることがあります。
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